あれ、左利きだっけ?(岸本由美子)
今知ったん? 知ってたやろ(笑)。(橋口菜穂)

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橋口:二人でいつも一緒にごはんを食べに行くって感じではないよね。
岸本:うんうん、食堂で偶然居合わせたら一緒に食べるぐらいの感じ。
橋口:私たちは総合領域だからグループワークの授業も多いけど、一緒になることも実はそんなに多くないし…私たち二人でいつも遊びに行くわけでもないし。
岸本:でも突然、星が見たいって言ったらつきあってくれたこともあったし、何かやりたいなって思った時にすごく誘いやすいかな。一緒にいても疲れないし…って、あれ、左利きだっけ?

橋口:今知ったん? 知ってたやろ(笑)。
岸本:そっか、それで私が右側になることが多かったのかも。
橋口:そうやね。あ、でもラーメンはよく一緒に食べに行くよね。
岸本:濃い味のスープドロドロ系に連れて行かれたこともあるね!
橋口:おごとにある翔華に行ったときもそうだけど〜。
岸本:うん、美味しかった! 二人で企画したイベントや展覧会の打ち上げは、ラーメン屋が多いよね。
橋口:そうだね、まあ私が行きたいっていうのもあるけど。それにしても、1年生からいろいろ企画して、楽しかったよね。
岸本:そう、最初に自主的に始めた企画イベントといえば、何人かで始めた「教えたろうやない会」だね。
橋口:自分たちが1年生の時に苦戦したような、総合領域の出稽古※1やプログレス・ファイル※2のシステムの説明を、実物を見せながら、新入生に教えてあげたんだよね。相談しやすいように私たちの連絡先を書いたカードも渡して。実際に相談をしてくれたり、お礼も聞けて嬉しかった。
※1出稽古:他領域の専門科目を履修することができる総合領域独自のカリキュラム。通称、出稽古。
※2プログレス・ファイル:総合領域では、自分の4年間の進歩(progress)をひとつのファイルにまとめていきます。就職活動用のポートフォリオ・ファイルに発展させることもできます。

岸本:私がアイデア担当で…
橋口:それを私がふくらます担当。二人とも、大学祭の実行委員会が終わって無職になって(笑)、何かしなきゃって焦っていたっけ。
岸本:そう! またあのそわそわする履修登録の時期がくるわ!って。
橋口:勝手にやったことだけど、先生にも感謝されてうれしかったー。
岸本:それで後輩の心はつかんだと思って、次はみんなでコスプレするタテコンを企画させてもらったんだった。

橋口:そうそう、そのころは総合領域のなかでイベント担当って自覚があったよね。クリスマス会にたこ焼きパーティ、誕生日会まで(笑)。
岸本:でも、もっと何かしなきゃっていうあせりが消えなくて。私が学内のBSギャラリーの使用を申し込んで、アイデアだけあった企画に乗ってもらう形で…
橋口:私も参加。同じく何かしなきゃって思ってた他領域の友人といっしょに、展覧会の企画「我々は美大生である。経歴はまだ無い。」をやったんだよね。

「我々は美大生である。経歴はまだ無い。」展のメンバーと

岸本:私はディレクターとして。
橋口:私はスケジュール担当、と自然に分かれたよね。その役割がやりやすくできた。
岸本:展覧会のポスターも、写真コースの友人に撮影してもらったり、展示もがんばってそのときは満足したんだけど…。
橋口:振り返るとちょっと伝わってなかったかもって思ったね。
岸本:もっとシンプルにやれば良かったのかも、とかいろいろ考えて、二人で企画した展覧会「Book Cover Collection」展につながっていくんだよね。

「Book Cover Collection」展

橋口:私の本好きがきっかけになって…。ところできっしーって本読むの? 高校の時は図書館っ子やったんやんな?
岸本:友達いなかったからね…サボリ部で図書館にいたときは少し読んでたよ。菜穂ちゃんは読書家だったんだよね。
橋口:うん、私は中学生のときからずっと読書家だったからね。辻村深月湊かなえとか、人間っぽくてファンタジーがある小説が好きだった。

橋口さんは、テレビドラマ化されたものにハマると原作本も読みたくなるタイプ。ベストは乙一「箱庭図書館」

岸本:私にはラジオがあったから。寂しい夜を癒してくれたのはラジオ。ラジオは姉も、父も好きで、小学生のときからずっと聞いていたんだ。好きなアーティストがMCをしていた番組があって、リクエストもして。
中・高校生向けの番組だったから、リスナーの投稿の内容に「あるあるー」ってなってた。高校生のときは、地元のラジオ局と一緒に企画して出演もしたよ。
橋口:へー! そういえば、きっしーの家にCDラジカセあったね。
岸本:うん、あれは、2台(代)目で、中学生のときにお父さんから誕生日にもらったやつなの。
橋口:誕生日にCDラジカセかー。相当好きだったんだね〜。

岸本さんの好きなアーティストは、BUMP OF CHICKEN、amazarashi、サカナクション、ASIAN KUNG-FU GENERATION

岸本:しかし、もう4年生やな。
橋口:きっしーは将来何したいん?
岸本:うーん、UX/UI関係の仕事かなぁ。大学で連続講座を受けた事がきっかけ。情報がたくさんあふれる社会のなかで、本当に人と向き合って新しい価値を提供していくってすごく素敵だし、考える事が楽しいなって。
橋口:そうなんだ! 私も総合領域でこんなに一生懸命やる前は、人と関わったり、人前で話すことも苦手だったけど、いろんな人と一緒にグループワークを学ぶなかで、ぼんやりと人と人とのつながりをつくったりする仕事がやりたいなと思ってたんよね。
岸本:成安生の展覧会の情報を発信したり、展覧会の記録をしたい、と始めたCLOUD SEIANもそうだけど、私たち、おせっかいが好きなところあるもんね。
橋口:うんうん。そう、CLOUD SEIANも後輩に引き継いでいきたいし、成安の最後の年もまた何かできたらいいね。
岸本:わたしは自分だけでやってしまうとすべってしまうから、何かするには相方が必要。
橋口:まあ、きっしーと一緒に歩いてたら、急にプーさんの歌を歌い始めるような、「?」な感じのノリにツッコミできるのは、私ぐらいやな(笑)。

きしもと ゆみこ/総合領域3年生
はしぐち なほ/総合領域3年生


取材を終えて

岸本さんがアイデアを出して、橋口さんがきっちりとそれを進めるマネージメント役、とコンビとしての相性がいい二人。趣味が同じで一緒に行動しているユニットみたいな感じではなく、もうちょっと軽くて自然体な距離感が、いろいろと開放的なアイデアを生むのだと感じました。(取材日:2015年11月)