ただの布を体に巻いて、どんな巻き方をしたら似合うか考えています。布を巻いただけの服装でけっこう大学に行ってますね。
(津川 宝)

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 成安に入学してから服をつくりはじめたばかりですが、人間の体の面積ってこんなに広いんだってびっくりしました。ズボンをつくろうと思って、適当に布をチョキチョキ切ってみたら、すっごいちっちゃなズボンができてしまったんです(笑)。
 最近は、ただの布を体に巻いて、どんな巻き方をしたら似合うか考えていて、布を巻いただけの服装でけっこう大学に行ってます。服をつくるだけじゃなくって買い物も好きです。京都の古着屋さんを回ることが多いのですが、お年寄りがやってる服屋さんによく行きます。イケイケの人がやってるオシャレなお店よりも、ちょっと古くて人間味があふれるしわくちゃのおばあちゃんのお店の方が、掘り出し物がみつかったりして楽しいです。

 といいつつ、持ってる服はお母さんとお父さんのお下がりが多いです。あと、おばあちゃんのお下がりも。みんなのクローゼットから素敵な服がないか漁るのが好きなんです(笑)。男物とか古着とか関係なく、いろいろな服に興味があるのは、家族のお下がりを自分で組み合わせる楽しさを知ったからかもしれません。

※津川さんに、お気に入りのコーディネートを考えてもらい、大学内のスタジオで撮影。メガネなどの小物もすべて本人のもの。左:腕につけているのは、時計ではなく鏡。時計を見るフリをしてメイクなどをチェックできるそうです。右:イギリスのアーティストがつくったトップスと、長ーい帽子は、お母さんのお下がり。トップスは腕の部分が長くて、着るのが大変だそうです

中央:コートを羽織のように着物に使っている。逆に、洋服のときに羽織をコート代わりに使うことも。右:宇宙人みたいな個性的な帽子は、お母さんのお下がり

左:黄色いワンピースはおばあちゃん、ジャケットはお父さんのもの。黒いランドセルは、大学に行くときによく使っているとか。右:カバンは、大阪でみつけた革のハギレでつくった

 うちは家族全員、服の趣味が全く違います。お母さんの服は一点もので個性的なやつが多いです。お父さんの服はブランドものが多くて、ちょっとナルシストな感じかな(笑)。おばあちゃんはあまり着飾るのが好きではないのですが、すごく大切に昔のワンピースなんかを残していて、すごいなって思います。弟は私と正反対で、全身ユニクロ・無印みたいなシンプルな服装です。

 大学に入ってからは、着物が好きになって少しづつ集めています。着方をちゃんとわかってないので、毎回携帯で着方を調べながら着ていますけど(笑)。
 集めているといえば、服だけじゃなくて、好きになったものは何でも集めてしまうんです。ネットで服を買ったときの、荷物に貼られてくる切手だったり、喫茶店のマッチ箱だったりを集めるのも好きだし、海外のパン屋さんやポップコーンの袋なんかの紙袋も集めてます。でもせっかく集めても、だいたいのものは友だちにあげちゃったりするんですけどね。
 そんな感じで着る服や集めるものへの興味がコロコロと変わって、いろんなものに手を出しちゃうんですけど、いつか私がおばあちゃんになったときにも、自分に合うものを選ぶことができていれば良いかなって思っています(笑)。

つがわ たから/空間デザイン領域1年生


取材を終えて

津川さんが最近欲しいものはメガネ。その候補はなんと50個あるとか。「いろんなブランドの名前も覚えられて勉強になる」といいながら、携帯に保存してあるたくさんのメガネ画像を嬉しそうに見せてくれました。津川さんには、いろんなものに興味を向けても枯れないくらいの底知れない好奇心があるんだな、と思いました。(取材日:2015年2月)

おまけ:
展覧会や旅行、お出かけの予定などが、めいっぱい書かれたスケジュール帳。実は、服を買うことよりも買い物の計画するときが一番好きな時間なんだとか。